スキー | 日本選手を国際大会に もっと派遣すべき

日本は世界でも数少ない良質な雪に恵まれた国です。日本各地にスキー場があり、たくさんの愛好者がスノースポーツを楽しんでいます。その中から世界選手権やオリンピック・パラリンピックへの出場を目指す有望な選手も生まれつつあります。

日本ではこれまで、国際大会に出場するための選考基準は、アルペン種目でいえば「メダルの獲得または入賞の可能性があると競技本部が認める個人種目の選手」となっていました。具体的には「FIS(国際スキー連盟)の大会で20位以内」など、厳しい条件をクリアしなくてはいけません。

最近、SAJ(全日本スキー連盟)でその見直しが図られていますが、国枠での出場権があるのにもかかわらず、条件をクリアできないことが原因で出場機会がなく、選手が出場しない種目が多数存在しています。

国際大会では国枠でアフリカや南米、東南アジアといった国からも選手が参加します。上位入賞は難しいですが、転倒しながらも完走しようとする姿には胸が熱くなるものがあります。

今後の日本スノースポーツ界を見据え、後継者を育て、世界で活躍できる選手を増やすためには豊富な経験が必要です。そのためには経済的な支援と共に、国際大会に出場する機会を増やすことが大切だと考えます。

全国勤労者スキー協議会は、スポーツ庁に対し「国際大会により多くの選手を派遣できるように関係機関への指導を強めること、そのための予算を『スポーツくじ』の収益に頼らずに拡充すること」を求める請願を検討しています。

来年の平昌五輪では、アルペンスキー種目で、入賞を狙える推薦基準を満たす選手がいなくても、国の出場枠を使って派遣することが決められましたが、こうした動きを他の種目でも広げてほしいと思います。(全国勤労者スキー協議会・小川洋)

「スポーツのひろば」2017年12月号より
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