2026年の冬季五輪は、イタリア北部の都市ミラノ・コルティナで行われます。注目の新種目は「スキーモ」という山岳スキー競技で、英語で言うと、Ski Mountaineering(略称SKIMO)、スキーと登山の頭文字をくっつけて作られた新語です。

どのスキー競技とも違うスキーモ
山岳エリアに作られたコースを登って滑り降りる速さを競う競技です。山スキーとは速さを競うところが、まったく違います。クロスカントリー・スキーとも違います。
クロスカントリーは北欧生まれで、踵が上がる軽くて細いスキーをつけたまま、登り・滑るので、斜面もどちらかというと緩やかです。
スキーモは、アルプスの山岳生まれで、裏にシール(前へ滑るが、後ろへは滑らない)がついたスキー板で登り、さらに板を背中のザックにつけて登り、踵を固定して滑り降ります。
「雪山のトレイルラン」と言うと、イメージがつかめるでしょうか。スキー板はクロスカントリーよりは幅広ですが、軽量にできています。速さを競うため、板もビンディングも、靴も極限まで軽く作られているのが特徴です。
オリンピックでは2種目開催
スキーモには、数種の種目がありますが、ミラノ・コルティナで行われるのは、スプリント、混合リレーの二種目です。スプリントは、標高差80mほどの斜面をシールがついたスキーで登り、板をザックにつけて登り、斜面を滑り降ります。時間にして3~5分の競技です。混合リレーは、スプリントをやや拡大した周回コースを、男女各1名が2周ずつ回るレースです。
(「ひろば」編集長・西條晃)
「スポーツのひろば」2025年4月号より