
ウォーキングは養老線多度駅(三重県)から出発。多度川沿いに歩き、多度北小学校南側で多度川とお別れし、多度のお山を背にして田んぼの農道をひたすら歩きます。揖斐川にかかる油島大橋を渡り岐阜県に入ります。国立公園最大の広さを誇る①木曽三川公園が現れます。

水と緑の館・展望タワーを登ると日本アルプス・鈴鹿山系・伊勢湾などを一望でき、三大河川のドッキングは圧巻です。園内には季節の花々が咲き、水屋が再現されています。道を挟んだ南側には千本松原が続き、治水工事に尽力した方々を祀る治水神社もあります。
長良川大橋で長良川を渡り愛知県に。雄大な流れに沿い堤防をしばらく歩み、水路を横切り、長良川と木曽川に囲まれた中洲「輪中の里」の町並みに入ります。ここに小パナマ運河とも呼ばれる②船頭平閘門・水位調整施設があります。水位の違う木曽川と長良川をつなぐ水路を通過する小船舶用に造られました。桜やつつじが植えられた小公園です。
ほどなく「③輪中の郷」館に着きます。「堤が切れたぞ~」「水が出たぞ~」。川面をたたきつける大雨、襲いかかる大水…。木曽・長良・揖斐の三川が集まる輪中地帯は、洪水の多発地帯でした。水の恩恵を受けながらも、その歴史は洪水との闘いでした。そんななかでも祖先は堤防を築き田畑を開墾して、自然と調和した長島町を築いてきました。同館はそんな輪中をテーマに、郷土の歴史、文化、産業を紹介するとともに、失われつつある貴重な生活様式や生活技術を保存伝承し、将来に向け継承・発展させるために誕生した三重県桑名市の施設です。依頼すれば解説もしてくれます。
さらに輪中の町並みを長島駅(近鉄およびJR)へと。途中、信行寺近くに④水屋跡石垣や水位標識が。宝林寺を通り北部小学校角を左折、神明社角を右折し南下。しばらく田圃道が続きます。東名阪自動車道下を横切りしばらく歩くと石垣で高くして洪水に備えた民家群が目に入ります。源盛寺を越し左折し長島駅へ。とても雄大で歴史的な素敵なウォーキングコースです。ぜひ一度歩いてみてください。
「スポーツのひろば」2011年12月号より