京都の町を一望 嵐山城址を歩く|ウォーキング日本縦断〈116〉

阪急嵐山駅を出発し、松尾山への登山口の標識に導かれて、車道から山腹を目指す山道に分け入ります。一汗かく頃に、眼下の市街地を望める曲り角。一息入れる。幅広の林道状の山道をゆっくりと登り、もう一度の休憩を挟んで、急坂を一気に登ると松尾山への分岐に到着。ここまでくれば、大きなアップダウンはありません。

少し登ると、渡月橋を正面に望む休憩所。不自然に平坦な尾根道が現れ、人の手を加えられた道であることがうかがえます。よく踏まれた山道は、掃き清められたかのごとくゴミひとつどころか、落ち葉も見当たらないほどです。

峠状の鞍部から見晴らしの良さそうなピークへ一登りし、昼食をとる。期待した展望のなかったピークを辞し、登山道へ戻ります。再び歩を進めるとすぐに、登山道を遮る岩場が現れる。3mに満たないが立派な自然の要害だと思います。

引き続き不自然な平坦路を交えた山道を緩やかに登っていきます。やがて山道は、山腹を捲く道と尾根を登る分岐につく。尾根を直上する方向に嵐山城の小さな案内板が。迷わず足を踏み入れると所々に広い平坦地。明らかに建物の跡としのばれます。石垣も小ぶりであるが残っています。一登りすると平坦地に。市内を一望できる場所です。ここが二の丸跡とのこと。正面には比叡山・大文字山。洛中をはさんで中尾城と嵐山城。お互いどんな役割を果たしていたのか、興味深いものです。

なだらかな山頂を北西に進むと最高点の嵐山山頂。小さな標識がぶら下がっています。展望はないが、平坦な山頂で建物があったと思われます。往時の山城に想いを馳せる間もなく、下山開始。往路を引返します。

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