滋賀県は戦国時代の山城の宝庫で、県内で1300もの城跡が確認されています。
今回紹介する小谷城(おだにじょう)は、日本百名城や日本五大山城にも選ばれている城郭です。交通の便も良く、JR北陸線の河毛駅や北陸自動車道の小谷城スマートインターが近くにあります。
JR北陸線の河毛駅スタートの場合、駅から徒歩30分で小谷城戦国歴史資料館の手前の追手道入口に着き、ここから徒歩60分で小谷城本丸です。
車の場合は小谷城戦国歴史資料館の無料駐車場を利用して追手道から登山するか、もっと楽をしたいなら戦国ガイドステーションから延びる舗装林道利用で番所手前の駐車場まで行くこともできます。ここからだと本丸まで徒歩20分でたどり着けます。見どころはたくさんありますが、大石垣や桜馬場からの眺望が素晴らしく期待を裏切りません。歴史好きの方は、浅井長政が織田信長に敗れて(1573年)自刃した場所と言われる赤尾屋敷に立ち寄ってください。
帰りは来た道をそのまま帰るか、少し健脚コースになりますが山王丸を経由して大嶽城(おおずくじょう)まで足を運ぶのも山城好きには楽しみです。ここは浅井三代の初代浅井亮政(あさいすけまさ)が築城したもので小谷城同様よく整備された山城遺構が残っています。
大嶽からは福寿丸、山崎丸を経由して尾根沿いに下ります。
別の帰り道としては山王丸、六坊、いくつかの屋敷跡を経由する清水谷の道もあります。
もっとマニアックな歴史好きには清水谷から行く水の手コースがありますが、これは観光パンフレットには載っていません。1573年の小谷城攻防戦で木下秀吉が相手の裏をかき駆け上がったとされるコースで明確な道跡はなく危険なので奥琵琶湖ボランティアガイドを依頼すると良いでしょう。この秀吉の進軍が長政を自害に追い込んだとされています。
また小谷城周辺には小谷城攻防戦の信長軍砦跡がある虎御前山や、姉川古戦場跡など歴史散策には適したところが多くあり、歴史好きの人にお勧めです。
「スポーツのひろば」2023年6月号より