東京都 武蔵国分寺跡と湧き水散歩|ウォーキング日本縦断〈128〉

特長は、天平宝字年頃からの武蔵国分寺の永い存亡の歴史、湧き水に支えられた紅葉と緑の庭園、雑木林群に囲まれた心温まるウォーキングコースです。

JR中央線・ 国分寺駅(北口改札口)から出発し、東京の名湧水「姿見の池」を訪れます。姿見の池は、かつて付近の湧水や恋ヶ窪用水が流れ込み清水を湛えていましたが、昭和の半ばころ池は埋め立てられました。平成14年から武蔵野線トンネル内の地下水導水を誘導し、水をたたえた池に復活しました。

次にJR中央線をまたぎ、武蔵国分寺の史跡、「東山道武蔵路跡」「国分寺薬師堂」「国指定史跡武蔵国分寺跡」「お鷹の道・真姿の池湧水群」を巡ります。

東山道武蔵路は武蔵国府に至る往還路で、古代道路跡として学術上価値が高いものです。
奈良時代の天平13年、聖武天皇は諸国に国分寺の建立を命じ、武蔵国分寺跡はその一つです。

つづいて、清水の流れる「お鷹の道 遊歩道」、「不動橋・石橋供養塔」を訪れ、国分寺崖線の自然の地形を生かした回遊式庭園「都立殿ヶ谷戸庭園」を訪れます。秋は銀杏の落葉と紅葉が美しい庭園です。

この庭園は所有者が何代か変わり、最後は岩崎別邸でしたが再開発の動きが起きました。公園の存続を望む市民たちの「殿ヶ谷戸公園を守る会」が発足され、1972年に都議会と国分寺市議会に保存を要望する請願書を提出しました。同年12月に革新都政であった都議会で、美濃部亮吉知事は「出来る限り公共的に保存し、都民の公園として開放できるよう、地元区市町村ともども努力していきたい」旨答弁、1973年に都の全面買収の方針が決まり都立公園として存続することになりました。この運動のおかげで、私たちは今、自然を満喫できる庭園を訪れることが出来ています。

「スポーツのひろば」2024年4月号より

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