岩手 盛岡市街の真ん中を流れる中津川べりを歩く|ウォーキング日本縦断〈117〉

中津川は県庁、市役所を始めとする盛岡市の主要施設がある中心部を流れています。川の畔には石垣の美しさで有名な盛岡城跡公園、江戸時代から続く商家や土蔵、赤レンガの洋風建築の建物等々も点在し、川沿いには遊歩道が整備されています。時折、水鳥たちの姿も見られ冬は白鳥も飛来し、北国城下町の面影と共に、自然の豊かさを楽しむことができます。

中津川に架かるさまざまな橋も魅力の一つで、それぞれの橋の名称、歴史などを学ぶとまた楽しくなります。今回は「中の橋」の河原を発着点に「中津川橋」まで歩きます。

まず目を引くのは両岸の石積み護岸、その上に立つ商家「ござ九」の白い土蔵、ヤナギの木と中津川の穏やかな流れのコントラストが素晴らしく、特に市役所裏のシダレ桜が咲き出す春は絶景です。遊歩道脇には盛岡ゆかりの文人たちの歌碑もみられます。

南部藩主が築城と同時に京都三条大橋を模してつくった青銅の擬宝珠が特徴の「上の橋」、橋のたもとに咲くスイセンの花も人気のスポットです。「山賀橋」には、ユーモラスな「カジカと太鼓」のモニュメントがあります。これは「中津川に棲むカジカと地元に伝承されている「さんさ踊り」や「獅子踊り」の太鼓が橋と共に末永く愛されるようにとの思いが込められているそうです。

そして「中津川橋」に到着し対岸に渡り折り返すと「川留稲荷神社」があり、野の花が咲きはじめる頃には、周辺の河原で蜜集めに忙しいミツバチたちの姿も見られます。「上の橋」周辺の河川敷には、地域の人たちが丹精込めて育てているカキツバタの群生地があり、「与の字橋」そばには、花を愛した盛岡出身の画家、深沢紅子の「野の花美術館」もあります。

秋風が吹き始めた10月16日の地元紙「岩手日報」1面に「中津川にサケ遡上、市民から喜びの声!」の報道がありました。自然豊かで市民に慕われる中津川をみなさんに楽しんでほしいものです。

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