2種の春の味覚を味わう
店頭に並ぶと、「今年もその季節が来た」と感じる食材あります。春でいえば、タラの芽、フキノトウ、菜花、筍などなど。今回は、その中の筍と菜花を使います。
菜花は、ビタミンCを多く含み、免疫力向上や感染症予防などに役立ちます。さらに、ビタミンEやβ-カロテン、辛み成分のアリルイソチオシアネートと、抗酸化作用がある成分もそろっているので、その相乗効果が期待できます。食物繊維、カルシウム、カリウムも含まれ、栄養価の高い野菜と言えます。
筍に比較的多いのがカリウムと食物繊維です。カリウムは、ナトリウムを排出する働きがあり、高血圧予防効果が期待できます。また、筍に含まれる不溶性食物繊維は腸内環境を整えます。独特のえぐみはシュウ酸などの成分。カルシウムの吸収を阻害する作用がありますが、水にさらすことで減少します。
筍と菜花のクリーム煮
作り方
【材料】(2人分)
ゆで筍:200g 菜花:6本 ベーコン:2枚 オリーブオイル:大さじ1 にんにく:スライス1枚 白ワイン:大さじ1 豆乳:100㏄ 生クリーム:30㏄ 塩・コショウ:少々 粉チーズ:適宜
① 筍は、根元の太い部分は厚さ2センチ程度に切り縦4~6等分にする。菜花は4センチに切り、軸と葉を分けておく。ベーコンは、幅5ミリに切る。
② フライパンにオリーブオイルを熱し、にんにくを炒め、香りが立ったら取り出す。
③ ベーコンと筍、菜花の軸を入れて炒め、火が通ったら葉を加え炒める。
④ 白ワインを回し入れ、強火でアルコールを飛ばす。
⑤ 日を弱め、豆乳と生クリームを入れ、ふつふつとしてきたら手早く塩・こしょうで味を調える。
⑥ 器に盛り、好みで粉チーズをふる。
*菜の花と菜花は同じと思いがちですが、厳密には違いがあります。菜の花はアブラナ科の植物(カブや大根など)の花全般を指します。菜花は、品種改良したものです。
*豆乳を増やしゆるめにすれば、パスタソースなどにも使えます。
くわな・れいこ 料理研究家。女子栄養大学で実践栄養学を学ぶ。新日本スポーツ連盟東京ランニングクラブ所属。
「スポーツのひろば」2023年4月号より