秋の味覚を手軽に一工夫
日本の秋の代表的な果物「柿」。生の甘柿には、100ｇ中70㎎のビタミンＣが含まれ、美肌効果や疲労回復にも期待ができるといわれています。β－カロテン（カロテノイドの一種）は活性酵素を除去しながら体の抵抗力を高めてくれるので、病気の回復や風邪の予防はもちろん、老化・がん予防の効果も期待されています。また、β－カロテンも強い抗酸化作用があるので、ビタミンＣと一緒に摂取することで相乗効果が期待でき肌荒れなどに効果的です。ちなみに、干し柿に生柿の約２倍のβ－カロテンが含まれます。
このほか、食物繊維として機能する水溶性のペクチン、血液の流れをよくする働きをする渋み成分のタンニン、体内の血液に含まれるナトリウムを尿と一緒に排出するためむくみや高血圧に効果的なカリウムも含みます。ただし、食べ過ぎるとこうした栄養素により、便秘や下痢、貧血を引き起こす可能性があるので、１日２個までにしましょう。
柿プリン
作り方
【材料】（２人分）
柿：２個 牛乳：柿の半量 バニラエッセンス：数滴 グラニュー糖：お好みで
①柿は、ヘタの少し下を切り取り、そこを抜かないように注意しながら、中身をくりぬく（柿カップとして使います）。
②ミキサーで混ざりやすい大きさに切る。
③柿の半量の牛乳と一緒にミキサーに入れる。柿の甘さが薄いときは、グラニュー糖も加える。
④バニラエッセンスを加え、ミキサーで混ぜる。
⑤柿カップに、４の液を流し、冷やす。
＊柿に含まれるペクチンは水溶性の食物繊維です。そのペクチンが水分を吸い取ってくれるのでゼラチンを使わずに冷やし固めることができるのです。
＊柔らかめの柿で作ると、実のくり抜きやミキサーにかけるのが楽になります。
＊柿は二日酔いに効果があるといわれています。ビタミンＣとタンニンは、血液中のアルコール分を外へ排出する働きや、副腎機能低下を防止する働きがあるそうです。また、酵素（カタラーゼ、ベルオキシダーゼ）がアルコールの酸化、分解を促すため、血中アルコール濃度の上昇を防ぎます。
くわな・れいこ 料理研究家。女子栄養大学で実践栄養学を学ぶ。新日本スポーツ連盟東京ランニングクラブ所属。
「スポーツのひろば」2019年9月号より