翡翠タコ|スポーツをする人のための元気が出るごはん〈25〉

食欲をなくす夏にさっぱりと

高湿度の日本の夏、どうしても食欲が落ちやすくなります。そんな時は、酢などを使って食べやすい工夫をしましょう。
今号で使う「タコ」に含まれる栄養素として、まずタウリンがあげられます。タウリンは、胆汁酸の分泌を促成し、肝臓の働きを促す作用をはじめ、血中コレステロールを下げ、動脈硬化などを予防する働きがあるといわれています。また、タコは脂質が少なく、タンパク質が豊富な食材です。ただし、比較的消化に時間がかかる食材なので、胃腸が弱っているときは食べすぎに注意が必要です。旨味の素になるアスパラギン酸やグルタミン酸などを豊富に含んでいます。
夏には露地物も含め、たくさん出まわるキュウリには、アスコルビナーゼという、ビタミンCを破壊する酵素を持っていますが、酢を加えると不活性化になります。おろすことで輪切りよりのど越しが良くなり、キュウリのビタミンCを効率よく摂れます。

翡翠タコ

作り方
【材料】(2人分) 
刺身用タコの足(蒸しでも茹ででもOK):1本(100g前後) きゅうり:1本 酢:20㏄
① キュウリはすりおろし、水けをきる(水けをきりすぎるとかすかすになります)。
② タコは、幅5ミリ程度の斜め薄切りにする。
③ 食べる直前に、キュウリに酢を加え、タコと和える。

*キュウリをおろした和え衣は、様々な食材と合わせることができます。今回はさっぱりといただきたいので酢だけで味を付けましたが、食材によって、砂糖や少量のだし汁、しょうゆなどを加えて味の変化を楽しんでください。トマト、ほぐしたアジの開き、鶏肉などと和えてもおいしいそうです。
**タコの旬は、地域によって異なります。瀬戸内海では「麦わらタコ」と呼ばれ、7月から9月です。東日本では漁季となる冬が旬となります。
***料理の世界で「翡翠」を使う場合(翡翠煮など)は、薄い緑色を生かして仕上げたものをいいます。今回は、キュウリの緑を生かしています。料理名とレシピのヒントは、「ほかほか蕗ご飯 居酒屋ぜんや」(坂井希久子著)からいただきました。

くわな・れいこ 料理研究家。女子栄養大学で実践栄養学を学ぶ。新日本スポーツ連盟東京ランニングクラブ所属。
「スポーツのひろば」2019年7・8月号より

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