秋鮭の粕汁|スポーツをする人のための元気が出るごはん〈30〉

具だくさん汁ものでほっこり

木枯らしで冷えた体で帰った時に食べる温かい汁は、思わず「はア~」とため息をついてしまいます。その中でも粕汁は、体をあたためくれるごちそうです。
 粕汁に欠かせない酒粕は、「粕」という字が使われていますが、清酒より栄養価が高く、近年、美肌や健康づくりに役立つ成分が含まれていることが確認されています。例えば、現代人に不足しがちな食物繊維、それも不要性の食物繊維が多く含まれるとともに、ペプチドやアミノ酸などの注目される成分が含まれています。研究機関によると、酒粕のタンパク質を分解してできるペプチドは、肝臓の保護に効果的であることが報告されています。また、酒粕には血栓を溶かすウロキナーゼという酵素の剛性を促すほか、血栓を溶かすプラスミノーゲンを含んでおり、血液ドロドロを解消するのに役だちます。この他、糖尿病や肥満の予防、高血圧の抑制効果なども報告されるなど、多くの栄養や効能が報告されています。

秋鮭の粕汁

作り方
【材料】(4人分) 
生秋鮭:2切れ 大根:10㎝ 人参:1/2本 里芋:4個 ごぼう:15㎝ しいたけ:2枚 こんにゃく:1/2枚 長ネギ:15㎝
昆布:7cm角位 味噌:お玉2/3杯 酒粕:1袋(200g)
① 大きな鍋に水と昆布を入れておく。
② 大根・人参はいちょう切り、ごぼうは薄い斜め切りにし水にさらす。里芋は輪切り、しいたけ・こんにゃくは薄切り、ねぎは小口切りにする。
③ 鍋にねぎを除く野菜を入れて煮る。
④ 鮭は一口大に切る。皮が気になるときは剥がす。
⑤ 野菜にあらかた火が通ったところで、鮭を加える。鮭に火が通ったら、煮汁で柔らかくした酒粕と、味噌を入れる。
⑥ 最後にねぎを加え、一煮立ちさせる。
*酒粕は、8%程度のアルコールを含みます。過熱すると揮発するが、子どもやアルコール耐性が弱い人に供するときは、注意しましょう。
*酒粕には平たい形を切りそろえた「板粕」、粒状にした「バラ粕」、酒粕に水や焼酎をうって熟成させた「練り粕」があります。今号は板粕を使いました。
*酒粕の臭いや味が気になる人は、豆腐を崩して入れると緩和されます。

くわな・れいこ 料理研究家。女子栄養大学で実践栄養学を学ぶ。新日本スポーツ連盟東京ランニングクラブ所属。
「スポーツのひろば」2020年1月号より

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