朝晩の肌寒さを感じたら
酷暑を乗り切り、涼しく過ごしやすくなると、食欲が出てきます。それは、体温が下がることで体を温めようと、基礎代謝が上がるためです。基礎代謝が上がることでエネルギーが使われるので、それを補うためにお腹が空きやすくなるのです。
肌寒さを感じた時には、具だくさんの汁ものなどがいいですね。今回は、旬の鮭を使った「三平汁」です。三平汁は北海道の郷土料理で、地元では学校給食にも出るそうです。
郷土料理だけに、各地・各家庭によって様々な具材、味付けがあります。使われる魚も塩鮭、生鮭、鮭のアラの他、糠ニシン(鰊を糠塩につけたもの)なども使われます。野菜類もじゃがいもと大根は定番のようですが、ごぼうや人参、こんにゃくが入っていたりいなかったり。
今号の三平汁は、手に入りやすい鮭の切り身を使いました。野菜類も家にあるものを使っています。今回の材料にこだわらず、「わが家の三平汁」を作ってください。
鮭の三平汁
作り方 【材料】(2~3人)
【材料】
塩鮭:2切れ 塩:適量 酒:小さじ2杯
じゃがいも:小2個 大根:40g
人参:20g ごぼう:20g
さやいんげん:15g
こんにゃく:40g 長ねぎ:青い部分1本
顆粒昆布だし:小さじ1 塩:少々
①鮭は塩をふり一晩おき、使う前に一口大に切り、酒をふっておく。
②じゃがいもは乱切り、大根は5ミリ幅のいちょう切り、人参が5ミリ幅の半月切り、ごぼうはささがき、こんにゃくは一口大にちぎる。さやいんげんとねぎは2センチくらいに切る。じゃがいもとごぼうは水にさらす。
③鍋にねぎ以外の野菜とこんにゃくを入れ、ヒタヒタになるまで水を加え、顆粒だしを入れて中火にかける。ぐつぐつしてきたら鮭を加え、あくをとりながら弱火で煮る。
④じゃがいもが柔らかくなったら、さやいんげんとねぎを加えしんなりしたら、塩で味を調える。
*塩鮭の場合はそのまま使えます。また、じゃがいもは、崩れにくい品種のほうが汁はきれいにできます。
*三平汁は、旧松前藩の賄い方だった齋藤三平という人が創作した説や松前の漁師が考え出した料理とも伝えられています。
くわな・れいこ 料理研究家。女子栄養大学で実践栄養学を学ぶ。新日本スポーツ連盟東京ランニングクラブ所属。
「スポーツのひろば」2021年10月号より