旬の食材で季節の息吹を
ニラは、「古事記」や「日本書紀」にも登場し、古くから薬効のある食材として食べられてきました。今は一年中、店先に並ぶニラですが、寒い冬を越した春のにらは、柔らかく甘いといわれています。
刺激のある香りは、硫黄化合物の硫化アリル。強い抗酸化作用があるだけでなく、胃腸を刺激して食欲を増進させます。また、ビタミンB1と結合すると、その吸収を助け、疲労回復効果が高まるので、ビタミンB1を多く含むレバーなどとの組み合わせは、とても理にかなっているのです。
濃い緑色にはβ-カロテンやビタミンC、ビタミンEなどの抗酸化ビタミンがバランスよく含まれており、がんや生活習慣病の予防、老化の抑制など、多くの健康効果が期待できます。漢方では、葉が生薬に用いられ強壮、胃健整腸などの効果があるとされています。ただし、食べ過ぎると軟便や下痢を招くことがありますので、注意が必要です。何事も、「過ぎたるは及ばざるがごとし」ですね。
新ジャガイモとニラの炒め物
作り方【材料】(2人分)
【材料】
新ジャガイモ:Mサイズ2個 ニラ:1/2束
塩・コショウ:少々 酒:大さじ1
トマトケチャップ:小さじ1 にんにく:1かけ
サラダ油:小さじ2
①ジャガイモは5ミリ程度の輪切りにしてから細切りにし、ラップをして600Wの電子レンジに2分かけ、水けをきっておく。
②ニラは3センチ程度に切る。ニンニクは薄切りにする。
③フライパンに油を敷き、にんにくを加えて火をつけ、香りがたったらジャガイモを入れる。
④塩・胡椒をして中火で数分炒め、ジャガイモが透き通ってきたら、ニラと酒を加えて、さっと混ぜる。
⑤ニラがしんなりしたら、ケチャップを加えて全体を混ぜると完成。
新ジャガイモは地方によって旬の季節が異なり、春のものは3月から6月に収穫される九州(鹿児島、長崎)産です。関東(千葉、茨城)産は5月から8月に収穫されます。日光に当たると光合成して緑色になるので新聞紙に包んで冷蔵庫で保存します。
残ったニラは、キッチンペーパーなどで包んでからラップで包み、冷蔵庫で立てて保存します。
くわな・れいこ 料理研究家。女子栄養大学で実践栄養学を学ぶ。新日本スポーツ連盟東京ランニングクラブ所属。
「スポーツのひろば」2021年4・5月号より