なぜ野球監督はユニフォームでサッカー監督はスーツ?

2016年シーズンのプロ野球セ・リーグは、「監督が全員40代(若い!)」と話題になりました。つい最近まで現役だった選手が、もう監督としてユニフォームに袖を通していることに、しっくりこない印象を受けた人もいたのではないでしょうか…。

さてここで、素朴な疑問。野球の監督がユニフォームを着て、サッカーの監督がスーツ姿なのはなぜでしょう?

「公認野球規則」には、監督に対するユニフォーム着用の規定はありません。そもそも野球というスポーツが誕生した当初は、選手のキャプテンがチームの指揮をとっていました。つまり選手兼任監督だったわけで、当然ユニフォーム姿でした。野球の監督がユニフォームを着ているのは、その名残りと言われています。

ではサッカー、特にクラブチームの監督がスーツ姿なのは何故? 「ルールの規定はないので、昔からの習慣でしょう」と言うのは、スポーツ連盟附属スポーツ科学研究所事務局長の青沼裕之さん。

「イギリスでFootball Associationが誕生した1863年頃は、チームに監督はいませんでした。ところが、世紀転換期頃に、今の監督のような役割を持つ人(チーム経営にも尽力する人)が現れ、彼らは背広を着ていました。指導者として監督を引き受けて成功した初期の人に、ハーバート・チャップマンがいます。」

ちなみに、野球の監督はグラウンドに入れますが、サッカーの監督はピッチのなかに入ることはできません。また、ラグビーでは、試合が始まるとキャプテンを中心に選手が責任を持ってプレイするので、監督はスーツ姿で観客席にいることが多いです。スポーツが変われば、監督の立ち位置も変わるんですね。(編集部)

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