2020年東京オリンピック・パラリンピックの選手村会場に予定されている臨海部の晴海地区。ここはもともと都有地でしたが、2016年12月に東京都が総額約129億6000万円で、総面積13・4ヘクタールの土地を大手開発業者11社に売却する契約を結んだことが問題となっています。
この売却額は、周辺の土地の市場価格のわずか10分の1。適正な価格は1300億円程度と言われています。どこかで聞いたことのあるような話ですが、森友の「8億円値引き」や加計の「96億円の補助金」とは比べものにならない額です。
都民の財産である貴重な都有地を不当な安値で売却したのは違法だとして、今年8月、市民グループが住民訴訟を東京地裁に起こしました。
提訴したのは、「晴海選手村土地投げ売りを正す会」。都に対して、この手続きを進めた舛添前知事や開発業者らに値引き分を請求するよう求めています。また、9割引という破格な価格とされた経緯や根拠について、都の情報開示も不十分と主張。「2020オリンピック・パラリンピックを考える都民の会」事務局長の萩原純一さんは、「住民訴訟の裁判には、資金が必要。1口千円で誰でも『投げ売りを正す会』に入れるので、広く賛同を呼びかけたい」と話します。
五輪招致に名乗りを上げた石原元知事は「オリンピックを誘致したら儲かる」と発言していました。まさに開発業者が儲かるようオリンピックが利用されていいのでしょうか。せっかくの東京開催なのに、肝心の「スポーツ」はどこへ…? (ひろば編集部)