スキージャンプは刑罰から始まった?

 ジャンプ台の上から見る景色は恐怖です。あの急斜面を滑ってから空中を落ちていくのですから、そんな刑罰もありそうですが、事実ではありません。根拠のない噂が広がったのは10年余り前のことです。タレントの長嶋一茂が朝のテレビで語ったことがきっかけだったようです。その後、「刑罰ではない」と打ち消す報道もあったのですが、耳に届かないまま、信じている人が私の周りにもいます。
 スキージャンプの起源は、1800年代後半のノルウェーです。 この国は「ノルウェー人は、スキーを履いて生まれてきた」と言われるほどの“スキー王国”です。ノルウェーでは紀元前から、雪上を移動するためにスキーが使われてきました。雪の林野を滑るためで、後にクロスカントリーへと発展します。しかし斜面を滑り、ジャンプをするには、新しい道具と技術が不可欠でした。ノルウェー南部テレマーク地方出身のソンドレ・ノールハイム(1825~1897)によって、新しいスキー板と締め具が開発されました。彼は「近代スキーの父」と呼ばれています。初めてのスキージャンプ大会は、1879年にクリスチャニア(現在のオスロ)のハスビーヒルで行われました。さらに「ノルディックスキーの聖地」と言われるホルメンコーレン(オスロの郊外にある)では、1892年にジャンプ大会が行われました。ホルメンコーレンのスキー博物館には当時のスキーが展示されています。
(参考資料:「ノルウェーを知るための60章」2014年赤石書店)
(ひろば編集委員・西條晃)

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