ビーチバレーは華麗? 過酷?

浅尾美和を思い浮かべて、ビキニ姿の美人選手がいる種目と思っていませんか。1950年代の米国で美人コンテストなどと合わせてショーアップされたビーチバレーの一面が、現代の日本にも残っているようです。しかし実際は、足がめり込む砂の上で、8m四方の広いコートを走り回り、たった2人で攻守を行う過酷なスポーツです。

天候が良ければジリジリと熱い太陽に焼かれて疲労もたまるうえに、ポジションがないのでレシーブ、トス、アタックのすべてが完璧でなければなりません。ビキニ美女という見かけに惑わされずに、過激で華麗な妙技が繰り出される競技の面白さを楽しみましょう。

砂浜でバレーボールが始まったのは1919年のハワイでした。そのころはまだ室内のバレーと同じように多人数でした。その後人数を減らして二人にしたら面白くなると考えた人がいて、1930年から2人制のビーチバレーができ、南米や欧州に広がって行きました。

ルールは室内のバレーボールに似ていますが、大きく違っているのは、フェイントが禁止されていることです。指の腹でフェイントを打てないので、猫の手のように指を丸めて指の背側で打つ「ポーキー」や、指先だけで打つ「コブラショット」など、独特の技が見ものです。

現在の強豪国は、米国、ブラジル、オーストラリアの3ヶ国です。最近強いのは北欧スウェーデンの選手だそうですが、熱い砂浜ではなく室内練習場という施設の変化によるものでしょう。オリンピックの正式種目になったのは、1996年のアトランタ大会からで、20数年前です。

日本では、1987年鵠沼海岸(神奈川県)で第1回ビーチジャパンが開かれ、河合俊一のペアが優勝しました。河合は1990年に室内のバレーボールを引退してから、ビーチバレーの選手として世界のツアーに参戦し、2007年には日本ビーチバレー連盟の会長にもなりました。

ところでスノー(雪上)バレーという種目ができて、日本海側の豪雪地を中心に行われています。足元が不安定な雪の上でバレーボールをしようというのです。「冬季五輪には球技がないから、スノーバレーを正式種目に」という夢を持っているそうです。(ひろば編集部)
「スポーツのひろば」2020年7・8月号より