「ハリーポッター」に出てくる魔法界のゲームを球技にしたのが、クィディッチです。魔法界では箒に乗って空を飛んでいたのですが、人間は飛べないので箒を股に挟んで、残る片手で球技をします。だから「男女混合の片手ハンドボール」と表現してみました。クアッフルと呼ばれるボールは、片手でやっと持てるくらいの大きさで、ボールを扱うのはチェイサーという選手です。ゴールへ入れると10点になります。ゴールを守るのは、もちろんキーパーです。
ここからが従来の球技と違う煩雑なところです。敵を妨害するボールと選手がいるのです。ブラッジャーというボールを扱うビーターという選手がいて、敵にこのボールをぶつけます。ぶつけられると自分のゴールに一度戻らないと復活できないのです。またビーターは見方を敵の攻撃から守る役もしなければなりません。
こうして球技をしている一方で、鬼ごっこも並行して行われます。鬼ごっこよりもケイドロ(警泥、ドロケイ)の方が分かりやすいですね。魔法界では飛び回る金色のボールだったスニッチが、ゲームでは黄色い尻尾をつけた人間(泥棒役)になり、勝手に逃げ回ります。泥棒を追うのはシーカーで、警察役のシーカーが泥棒役スニッチの尻尾をもぎ取ると、30点の大量得点になります。ケイドロで勝つ方が球技よりも得点が多いので、ケイドロでスニッチを捕まえるとゲームオーバー、終わってしまいます。
簡単にまとめると、ゴールにボールを投げ込む球技なのに、尻尾取り遊びも同時並行で行われるという、「えっ、どういうこと?」と目を疑うようなゲームです。文章で説明するより、動画を見た方が分かりやすいかも知れません。YouTubeで「クィディッチ」と検索して、見てください。世界40カ国以上で行われているといいますが、本当かなあ?(ひろば編集委員 西條晃)
一目でわかるクィディッチ(一覧表にしてください)
プレイヤー(1チーム7人・男女混合)
チェイサー(3人)ボールをゴールに入れる選手
キーパー(1人)ゴールを守る選手
ビーター(2人)敵を妨害し、見方を守る選手
シーカー(1人)ケイドロの泥棒役を追いかけ、捕まえる警察役
ボール
クアッフル 片手で持てるくらいのボール
ブラッジャー(3個) 選手のプレーを妨害するボール
スニッチ
黄色い尻尾をつけたケイドロの泥棒役(箒はもたない)
フィールド
150メートル x 24メートルの楕円形、両端にゴール(3つのリング)
箒
選手は股の間に箒を挟み、片手で抑えているが、ただの棒でも良い
注:東京周辺では「ドロケイ」、全国的には圧倒的に「ケイドロ」という呼び方が多いそうです。