リオ五輪の優美な卓球台

リオ五輪で使われた優美なデザインの卓球台を覚えていますか? 卓球台と言えば、床から垂直に立った鉄製の脚(移動用のキャスターがついたものもある)ですが、リオ五輪の卓球台は、厚いX型の木製の脚でした。

作ったのは三英という千葉県流山市にある会社で、これまでも卓球台など様々の遊具を作ってきました。Infinityインフィニティ(無限とか無限大という意味)と名付けられた卓球台は、プロダクトデザイナー澄川伸一さんがデザインしました。脚はXに見えますが、実は横倒しの放物線、卓球のボールの軌跡を表しています。天板と脚部は別々の場所で製作されました。

天板がつくられたのは、三英の工場がある北海道の足寄(あしょろ)町です。天板の色はレジュブルー(青い瞳)という新しい色がつかわれました。脚部は山形県の天童市にある天童木工という家具メーカーで作られました。天童木工と言えば、米国のニューヨーク近代美術館(MoMA)にも納められているバタフライスツールという椅子で有名です。

蝶が羽根を広げたようなデザインの椅子は、半世紀以上も前に柳宗理によって発表されたもので、板を曲げる技術が使われています。その板を曲げる技術をさらに発展させて、脚部がつくられました。一枚の板ではなく、たくさんの板をまとめて曲げて接着する、「成形合板」という技術を得意としています。

卓球台の脚は58枚の板を合わせ、削って磨いて作られました。できあがった卓球台の性能は振動が少なく、ボールが「どこに当たっても均一にバウンドする」と選手からも好評です。

(ひろば編集委員・西條晃)