「こむら返り」には漢方薬が効く|SPORTS×TOPICS

ふくらはぎに激痛が走る「こむら返り」を経験した人は多いことでしょう。ふくはぎを「こむら(腓)」と言い、ふくらはぎに起こることが多いので、「こむら返り」と言います。あるいは「足がつる」とも言います。

この「つる」症状は、足の裏や指、太腿など体のいろいろなところに起こります。運動中にも、寝ているときにも起こります。筋肉が異常に緊張し、けいれんを起こすわけですが、その原因はよく分かっていません。脱水や冷え、ミネラル不足など様々なことが言われていますが、確定されていません。

応急処置は、つった筋肉を伸ばすことです。ただ運動中に起きると、痛いし、運動を中断しなければならないし、大変です。「こむら返り」を含めて、「筋肉がつった」ときに効く漢方薬があります。

芍薬甘草湯で、筋肉の緊張が緩んで、けいれんや痛みが抑えられます。民間療法ではなく、ちゃんとエビデンス(科学的根拠)がある薬品です。西洋医学では病気の原因を究明しそれに相応しい薬を探しますが、漢方では、病気の原因にかかわらず、症状を改善する薬を長い経験に基づいて見つけ出してきました。

「こむら返り」、「筋肉のつり」が起きてから、芍薬甘草湯を飲めば、即効性があるので間もなく良くなります。マラソンの途中、登山の途中で「こむら返り」、「筋肉のつり」が起きるなど、運動の途中で起きる人は、運動前に芍薬甘草湯を飲んでおくと、予防できるそうです。

「こむら返り」、「筋肉のつり」に悩んでいる人は、芍薬甘草湯(顆粒)を身近に用意しておくと良いかもしれません。(「ひろば」編集委員・西條晃)
(参考資料:萩原圭祐「漢方がみちびく心と体のレジリエンス」大阪大学出版会2021年)

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