新スポ連の東京事務所には、毎月たくさんの会報や機関紙・誌が届きます。福岡県の「となかい通信」は、北海道の富良野スキーツアーが16万円(リフト代込み)、ルスツスキーツアーも15万円超えで、以前に比べて2~3割以上高くなっていると書いています。スキーの費用は、リフト代、食費、旅費のすべてが高くなっています。ビンディングが壊れたため、やむを得ずスキー板を新調しましたが、スキー用具も値上がりしていました。

人気のある大型スキー場のリフト料金を調べてみました。一日券では、北海道のルスツが1万4500円、富良野は7500円、外国人が多いスキー場では、ニセコの全山共通券が1万500円、白馬八方は8000円です。大阪をはじめ関西地方のクラブがよく行く志賀高原も全山共通券が8000円でした。「昔は三日券が1万円超えだった」と私は記憶しているので、2~3倍になっていると感じます。
福岡のとなかいスキークラブと対照的なのは、北海道の道東にある帯広の大平原スキークラブです。同じ北海道でも、道北地方のローカルなスキー場を自動車で巡るハシゴスキーを楽しんでいます。和寒(わっさむ)町、名前を聞いただけでも寒そうな町ですが、雪の下から掘り出す甘いキャベツで有名なところです。和寒町東山スキー場は、4時間券がなんと1000円、リフトは2本しかないので4時間で十分です。次はさらに北の名寄(なよろ)ピアシリスキー場を訪れ、シニア一日券が2500円でした。縦に続く3本のリフトを滑り降りるコースは、快適なパウダースノー(粉雪)だったでしょう。大平原のスキーツアーは、寒さに強く、雪と氷の道を自動車で走るドライブ技術が必須で、北海道民にしかできない、地元の利を生かしたスポーツツーリズムです。
雪の少ない南の福岡から、粉雪を求めて北海道へスキーに行くのは、スポーツツーリズムの醍醐味だと思います。私も青く澄んだ海と熱帯魚を求めて沖縄の離島へ行くのが大好きです。値上がりが止まるか、収入が増えないと、スポーツツーリズムの未来は暗くなってゆくでしょう。所得と分配のあり方を真剣に考える時期に来ていると思います。(「ひろば」編集長 西條晃)


「スポーツのひろば」2025年5月号より