スポーツを読む、書く、考える|第四のスポーツ参加=スポーツ・リテラシー

スポーツの参加の仕方には、三つあると言われてきました。「するスポーツ(play)」、「見るスポーツ(watch)」、「スポーツを支える(support)」の三つです。さらにもう一つ付け加えたい第四のスポーツ参加は、「スポーツを読む、書く、考える」ということです。スポーツに関する知識をスポーツ・リテラシーと言いますが、その大切さを声を大にして、強調したいと思っています。

スポーツについての知識・概念、技能とそれを獲得する方法、それらを実際のスポーツに生かすスキルなどを手に入れることです。スポーツ・リテラシーを身につけていけば、スポーツの楽しさが広がり、新たな世界が開けてゆきます。

スポーツをする体育系の人は、「頭の中まで筋肉でできている」などという、侮蔑的な表現もありました。頻発する暴力事件のニュースに接すると、頭の中はどうなっているのか、理性とか知性はどこへ行ったのだろうと考えてしまいます。スポーツの歴史をたどってみると、競技のルールをつくり守ることによって暴力を抑え、野蛮から文明へと発展してきたことが分かります。スポーツの場に暴力が持ち込まれるなら、それは文明から野蛮への逆戻りではありませんか。読まない、書かない、考えない、スポーツ・リテラシーが軽んじられてきた結果ではないかと疑いたくなります。

スポーツをめぐる科学・技術、社会的な環境は、日進月歩で変化しています。その変化を知り、自分自身をバージョンアップしてゆくには、生涯を通じてたゆみなく読み、書き、考え続けなければなりません。でも、身体を動かしてスポーツするのは楽しいし得意だけれど、「読んだり、書いたり、考えたりは苦手」という人がいるかもしれません。

「読んだり書いたりが嫌いだから、スポーツに集中してきたのに」なんて開き直ったり、逃げ出したりしなでください。「スポーツのひろば」2022年7・8月号に掲載した「私の卓球人生」には、読者の方から多くの投稿をいただきました。「文章を直してください」という添え書きがたくさんありましたので、書いた人の気持ちが伝わるように手直しさせてもらいました。

5月号の「北京五輪も終わったけれど…」も読者の投稿を軸に作りました。文章を書くのもちょっとしたコツと経験が必要で、スポーツの練習と同じです。トライして行けば、上達します。読んで、書いて、考える楽しさを知れば、スポーツの世界はさらに広がり、楽しさも大きくなるはずです。

「スポーツのひろば」は、『読む、書く、考える』というスポーツの新しい世界へ、新しい楽しさへ進んでいくお手伝いをします。読者の皆さんと一緒にこの道を歩むことができれば、これほど嬉しいことはありません。(「スポーツのひろば」編集長・西條晃)

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