滋賀県 豊富に残る文化遺産をつなぐ滋賀大津エリアを巡る|ウォーキング日本縦断〈139〉

JR大津駅北口を出発。西に向かって歩き、急な階段を登って行きます。坂道を上がり園城寺別所近松寺本堂で参拝し、長等山麓にある長等公園へ。ここは桜の名所として知られ、平忠度が平家都落ちの際に詠んだ「さざ浪やしが(志賀)のみやこはあれにしをむかしながら(長等)の山ざくらかな」の歌碑があり、琵琶湖と大津市街の眺めも抜群です。

次はメインの三井寺へ。正式には長等山園城寺といい、平安時代より続く歴史とともに、国宝や重要文化財などが数多く残り、梵鐘は近江八景のひとつ「三井の晩鐘」で知られています。

国宝に指定されている金堂は三井寺の総本堂であり、ご本尊は秘仏でもある弥勒菩薩です。ここでは千手観音立像や不動明王坐像など、重要文化財である数々の仏像を、近くで見ることができます。

金堂の側にある閼伽井屋(あかいや)には龍の伝説が残っており、今でもボコボコと音を立てながら神聖な水が沸いています。霊鐘堂(れいしょうどう)には「弁慶の引き摺り鐘」という、弁慶が比叡山へ引き摺り上げ、谷底へ投げ捨てたという鐘があります。

観音堂は西国三十三箇所観音霊場の第十四番札所として信仰されています。そろばん碑のある高台まで上がると、琵琶湖が目の前に広がり琵琶湖の広さが実感できます。

その他、美しい三重塔、極採色の装飾が美しい毘沙門堂、春には境内の千本桜が咲き乱れ、見どころ満載です。

三井寺を後にし、日本遺産の琵琶湖疎水へ。水量豊かな琵琶湖から京都へと水を運ぶ琵琶湖疎水は、明治期の竣工以来、今なお現役で活躍している人工の運河です。

琵琶湖疎水からゴールの大津港まで13分、休憩をはさみながら約3時間のウォーキングです。今年11月に予定されている「全国交流ウォークin滋賀」に、ぜひご参加ください。

「スポーツのひろば」2025年5月号より

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