旧荒浜集落は仙台市中心部から東に約10㎞の荒浜にあり、震災時は800世帯2200人が暮らしていました。荒浜小学校は震災直前までは避難場所を体育館としていたが、前年のチリ地震を教訓に校舎屋上に避難場所を変更していたため、小学校に避難した320人に犠牲者は出ませんでした。集落としては190人の犠牲者を出しました。 荒浜集落は海に隣接しているため、震災後仙台市は住宅を建てられない土地に指定し全て買収し、小学校の向かいには避難の丘が作られました。西には東部復興道路(かさ上げ道路)が建設されました。
小学校から海岸方面に約300m進むと、「貞山運河」(貞山堀)が見えてきます。堀沿いにはサイクリングロードが整備されウォーキングやサイクリングが楽しめます。更に400mほど進むと、左側に荒浜地区住宅基礎を一部保存した場所と鎮魂のモニュメント「荒浜記憶の鐘」が設置されています。震災時約13・7mの津波が押し寄せた記録を示しています。右側には190人の犠牲者を慰霊する観音様が設置。海岸には新たに堤防が建設されました。深沼海岸には仙台で唯一の海水浴場があり、今年は震災以降14年ぶりに1日800名限定で海開きをしました。海岸から北上、「海岸公園センターハウス」へ行き休憩し、貞山堀沿いのサイクルロードを通り小学校へ。
荒浜小学校は震災後「震災遺構仙台市立荒浜小学校」として、震災発生から避難、津波の襲来、そして救助されるまでを映像等で展示、説明しており見学者が絶えない。交通機関は仙台市営地下鉄東西線の終点荒井駅前から市営バス「震災遺構仙台市荒浜小学校行き」に乗車し終点で下車。更に小学校から南に約1㎞歩くと、「JRフルーツパーク仙台あらはま」があり、食事・買い物などを楽しむことができます。
「スポーツのひろば」2024年11月号より