今回のウォーキングの目的地は、奈良と大阪の県境に位置している金剛葛城山系の北部にある二上山の奈良県側ふもとの當麻(たいま)寺です。
大阪の近鉄阿部野橋駅に集合し二上山駅で下車。コースは、二上山に登らず、ふもとの道の駅(昼食)、ボタンで有名な石光寺、その後中将姫の墓にお参りし、當麻寺の北門へ(ここまでの距離はおよそ3・5㎞)。帰りは当麻寺駅までの2・5㎞で、計約6㎞です。
當麻の地は、日本書紀垂仁天皇の時代、當麻蹴速(たいまのけはや)と野見宿祢(のみのすくね)の対戦が相撲の始まりとされています。當麻一族は、この地で相当の力があったと思われます。
當麻寺は、創建年代がはっきりとされていませんが、奈良時代には建立され、日本唯一、東西の三重の塔が残っています。そして平安時代には、中将姫が一夜にして「當麻曼荼羅」を織り上げ、29歳で阿弥陀如来に迎えられ往生を遂げたとされ、当時女性は往生できないといわれた社会で「我が国女人往生のはじめ」と言われています。
このウォークは、1005年から連綿として続いている「聖衆来迎練供養会式(しょうじゅうらいごうねりくようえしき)」の見学が目的でした。
この練供養は、曼陀羅堂を西方極楽浄土、娑婆(しゃば)堂を俗性とし、二つの世界が結ばれます。曼陀羅堂から25菩薩が来迎(らいこう)橋を通り娑婆堂来迎します。その後中将姫を蓮台に乗せて曼陀羅堂に導きます。この時に行う練り歩く所作が「練供養」と呼ばれています。2024年、「当當寺練供養」は国指定重要無形民俗文化財に登録されました。
「スポーツのひろば」2024年10月号より