ゲーム機による「スポーツ外傷」?|SPORTS×TOPICS

「テニス肘」「野球肩」「ランナー膝」「ジャンパー膝」など、これまでも多くのスポーツ障害がありました。そこへ家庭用ゲーム機を原因とする「スポーツ外傷」が加わり、「Wiiitis(ウィーアイティス)」と名づけられました。

2006年に任天堂が発売を開始した“Wii”という画期的なゲーム機に、“Wii Sports(ウィースポーツ)”というソフトを入れると、テニス、野球、ゴルフ、ボーリング、ボクシングなどのスポーツが、身体を動かしながら体験できます。

Wiiは2013年に生産を完了し、修理の受付も終了しましたが、何しろゲーム機の販売数は1億台を超え、ソフトのWii Sportsも8000万本以上という驚異的なもので、世界に広がりました。ゲーム機についているコントローラWiiリモコンを使って、テニスのゲームを長時間やっていた人に、肩の炎症が起きたのです。ゲーム機のWiiを使って起きた外傷なので、Wiiという名称を含む、「Wiiitis(ウィーアイティス)」という名称がつけられました(2009年)。

スポーツを離れますが、家庭用ゲーム機による症例もあります。1990年に親指の腱の痛みを発症し、「Nintendinitis(ニンテンディナイティス)」と名づけられたそうです。

家庭用ゲーム機は、とどまることなく新型が開発され、売れ続けています。どうしても身体の一部だけを酷使する傾向があるようです。使い過ぎに気をつけて、症状が出ないようにしてほしいものです。(「ひろば」編集長・西條晃)

〈参考〉山本健人『すばらしい医学』(ダイヤモンド社)2023年

「スポーツのひろば」2024年7・8月号より

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