
大津市北西部・京阪電車石坂線の終点「坂本比叡山口」駅で下車。ここ坂本地区は、比叡山延暦寺や日吉大社の門前町として栄え、穴太(あのう)積みの石垣が続きます。穴太積みは、自然にある石を加工しないまま積み上げ、石垣をつくる「野面積(のづらづみ)」という技法を得意としました。

穴太衆は、安土桃山時代に活躍した石工集団です。日吉大社の参道に立ち並ぶ寺々は、すべて比叡山延暦寺の里坊で50余あまり格式の高い里坊・寺院が現存しています。
日吉大社は、全国に約3800社ある日吉・日枝・山王神社の総本宮で境内は広大です。西・東本宮本殿は日吉造り(ひえづくり)といわれる特殊な建築で国宝です。ここの神の使いの猿「神猿(まさる)」は、魔除けの象徴として扱われています。
また日本最古の石橋といわれる日吉三橋もあります。「大津祭り」(10月)、「長浜曳山まつり」(4月)と並び湖国三大祭りの一つが、ここ日吉大社の「山王祭り」(4月)です。
境内から西教寺に通じる地道「山の辺の道」は、びわ湖の眺望抜群です。西教寺は、聖徳太子により創建されたと伝えられる天台真盛宗の総本山で、不断念仏の道場です。境内に残る梵鐘(重文)や総門は坂本城にあったものです。明智光秀の菩提寺でもあり、光秀一族、妻煕子の墓所がある他、四季折々の風情を楽しむ趣の異なる庭園が四ヵ所もあります。特に日吉大社とともに紅葉が有名です。このコースは、約4キロのウォークです。
また、日吉大社の南方には比叡山延暦寺へのケーブルカーの始発駅もあります。このケーブルは1927年に敷設された日本最長の2025mで琵琶湖が一望できます。ぜひ、「全国ウォークin滋賀」にご参加いただき、ウォーキングと観光を楽しんでください。
「スポーツのひろば」2025年6月号より