スポーツ漫画道場「おおきく振りかぶって」

okiku作・ひぐちアサ
月刊アフタヌーン
講談社
2003年~


「オレらのエースは、暗くて卑屈」
今、多くの人に当てはまるだろう言霊(ことだま)を引っさげて登場の野球マンガ。人の言葉には、言霊が宿る。そのことを心で感じて、胸をうつマンガ!

主人公は、高校1年生ピッチャー三橋。その彼にキャッチャー阿部が注目することから物語が始まります。西浦高校野球部は仲間の感情を通じてまとまっていきます。読み進めていくうちに、自分が、どんな時間を生きているかを意識させてくれます。

人と人との信頼は、言霊の中に生きていく。それは、一つの野球を通して生かされていきます。全てのホルモンを活性化させながら、作者ひぐちアサさんは、野球に結びつけて行く。

現実の世界では、ただ言葉としてだけではぬぐい切れない自分。自分をあからさまにしつつマンガの世界に引きずりこんでいく、主人公の天性の素質が開花していく様を、登場人物たちと一緒に味わっていくことになります。試合は、まだまだ始まったばかり…。(青木太郎)

タイトルとURLをコピーしました