作・井上雄彦
『週刊ヤングジャンプ』
(集英社)
1999年~
マンガを見るだけで目の痛みを訴えていた私が、はじめて手にした『リアル』。この『リアル』は、1999年から10年以上にわたって「週刊ヤングジャンプ」に不定期に掲載されているスポーツ漫画である。
バスケ好きの若ものたち。野宮朋美18歳。バイク事故を起こし、長期欠席後高校を中退し、現在自分探しの道をまっしぐら。戸川清春19歳。陸上選手を夢みていたが、14歳の時、骨肉腫と判明、走ることをあきらめ、車イスバスケットの道へ。高橋久信18歳。野宮の後を引き継いでバスケ部のキャプテンだったが、自転車で交差点に飛び出し、ダンプカーにはねられ、脊髄損傷で入院、リハビリ中。
若ものたちのそれぞれの現実が、リアルに迫力ある筆づかいで描かれ、彼らの人生にぐいぐい引き込まれてしまう。ひたむきに生きる姿への共感と期待が、1300万部突破(第11巻で)という原動力なのかも? 目をショボショボさせながら、おもしろかったマンガでした。(岸 佳子)