心を強くする 「世界一のメンタル」50のルール|スポーツ本Review

スポーツ競技をしている人は、大事な試合で負けたときに「あぁ、もっとメンタルが強ければ…」と思ったりすることがあるだろう(特に接戦だった場合はなおさら)。しかし、メンタルを強くするには、どうすればいいのだろうか。なんとなく雲をつかむようなもので、いまいちピンと来ない。

心を強くする 「世界一のメンタル」50のルール
サーシャ・バイン(著)高見浩(訳)
飛鳥新社 2019年

そんな問いに、この本では「大切なのは、この世には自分の力では左右できないことがあるという事実を認めること」と答えている。つまり、「すべてが願い通りには進まない」と最初からあきらめなさいというのだ。その事実を受け容れてしまえば、その場の感情に流されることもなく、集中力が途切れることもない。これだけで、ちょっと肩の荷が下りた感じがする。

本書の著者は、ヒッティングパートナー(練習相手)として、セリーナ・ウィリアムズ選手やキャロライン・ウォズニアッキ選手などとタッグを組み、2018年に当時世界ランク68位だった大坂なおみ選手のヘッドコーチに就任。全米オープン優勝へと導き、WTA年間最優秀コーチとなった。

序言に「あなたが有名なテニスプレイヤーであろうと、ビジネスマンであろうと、まだ学業に励んでいる学生であろうと、人間であることに変わりはない。私たちはみな同じように考え、同じように人生を乗りきろうとしているのだから。肌の色、性別、宗教と関係なく、人生の悲喜はみな同じように訪れる。だから私は、なおみやセリーナや他のプレイヤーたちに与えたアドバイスが、あなたにも役立つのではないかと願っている」と書かれているが、スポーツだけでなくあらゆる分野で参考になる一冊である。

「いつも心にBプランを。プランB、C、D、Eとたくさんの選択肢を持つに越したことはない。臨機応変に変えていくと、結果につながりやすくマインドセットも柔軟になる」

「自分の弱点を認めたからといって、人間としての価値が損なわれることはない。かえって、いっそう強く、大きくなれる」

「ゲンかつぎは楽しくて、役に立つ。不安を取り除いて、ストレスも軽くしてくれる」

このようにスポーツ(または人生)と対峙するためのヒントがたくさん詰まっている。ちなみに、大阪選手は全米オープンの14日間、毎日同じ朝食=サーモンベーグルを食べていたそうだ。ゲンかつぎの方法の次元が違いすぎる?!(ひろば編集委員・佐藤信樹)

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