日常感とともにスポーツが見える 映画
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実家でひきこもり生活を送る32歳の女性、一子(いちこ)は離婚し出戻ってきた妹とケンカをしてしまい、やけになって家出、一人暮らしを始める。
とある100円ショップで深夜勤務の職にありついた彼女だったが、その帰り道にいつも通りがかるボクシングジムで、黙々と練習に明け暮れる中年ボクサーの狩野と出会い、惹かれていく。やがてひょんなことから彼の引退試合を観戦し、なにかを感じ取った一子は、自らボクシングを始める。
人生の目標も見出せず、不器用でどん底の生活を送っていた一人の女性が、一人の男性との出会いでボクシングに打ち込み、新たな自分へと変化する姿を描くドラマ。
人生に絶望していた女性がボクシングというスポーツと遭遇、無謀にもプロという壁に自身の意志で立ち向かっていく姿が勇ましく、主人公の覚醒前、覚醒後の大きく変わった日常と 、自身の姿の対比もすさまじい。スポーツが人に与える意味を考えさせられる物語でもある。
「スポーツのひろば」2024年10月号より