U-31|スポーツは映画とともに

2016年製作/86分/日本映画
(C)2016 綱本将也・吉原基貴/講談社/「U-31」製作委員会
競技に携わる人たちの複雑な思いが見えてくる「サッカー」映画

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近年ではプレイヤーのセカンドキャリア、生活への支援といった「職業としてのスポーツ」に携わる者が抱える課題も注目を浴びている。今回はプロサッカーの裏舞台における、複雑な事情を描いた作品を紹介したい。

強豪チームに所属し、31歳で戦力外通告を受けたサッカー選手、河野敦彦は古巣の弱小チーム「ジェム市原」に戻ることを打診される。移籍を承諾するために彼が出した条件は、エースナンバーの背番号10をもらい受けること。条件はクリアされ移籍を果たした河野だが、彼に向けられたチームメイトたちの視線は冷ややかだった。それでも彼はめげずに練習に没頭し、その姿はチームメイトたちの気持ちを少しずつ動かしていく。

人気サッカー漫画を原作とした物語。Jリーグのチーム「ジェフユナイテッド市原・千葉」の25周年記念として映画化された。表舞台からは見えないスポーツ選手の複雑な苦悩をサッカー選手の視点で描き「競技のプロ化」に潜む課題をあらためて考えさせられる内容となっている。プレーシーンは少な目ながら、裏舞台の中で野球などとは違うサッカー「らしさ」を描いている点には、リアリティの高さを感じられることだろう。

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