スポーツ映画レビュー「チャンプ」

監督:フランコ・ゼフィレッリ
出演:ジョン・ヴォイト
1979年 アメリカ


「大きくなったら偉い人になる、チャンプみたいに」  妻に家を出ていかれ、競馬場で働く元世界チャンピオンボクサー・ビリーと、その息子TJの物語。ビリーがどんなに酒を飲んでも、ギャンブルにハマっても、T.J.は父親を「チャンプ」と呼ぶ。親子愛たっぷりの映画だ。

劇中では、息子TJの素直な性格と豊かな表情が光っている。ホントにかわいい。周りは競馬場のあやしい連中ばかりで、育ての親は飲んだくれの親父だけ…という環境で、どうしたらこんな素直な子どもに成長するんだろう?

おそらくビリーは世界チャンピオンになったことで得たモノもあれば、失ったモノもたくさんあっただろう。しかし、そこで得たモノは時を経て、息子の心のなかでかけがえのないモノとなっている。息子は父親のボクシング姿を見たことがないのに、2人はボクシングでつながっているのが面白い。  終盤、ビリーは再びリングにあがることを決意する。

「もう決めたんだ。オレと息子のためにやる」  ビリーはそれ以外カムバックする理由を口にしない。なぜ、またボクシングをやるのか? それは是非実際に観てほしい(意外と単純?)。私にとっては、何回観ても涙なしでは観られない映画。この文章を書いていても、う~涙腺が…。(佐藤信樹)