ホぺイロの憂鬱|スポーツは映画とともに

2017年製作/92分/日本映画
(C)2017「ホペイロの憂鬱」製作委員会/フィルム・クラフト
競技に携わる人たちの複雑な思いが見えてくる「サッカー」映画

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近年ではプレイヤーのセカンドキャリア、生活への支援といった「職業としてのスポーツ」に携わる者が抱える課題も注目を浴びている。今回はプロサッカーの裏舞台における、複雑な事情を描いた作品を紹介したい。

J2昇格を目指し奮闘中のサッカークラブ「ビッグカイト相模原」で、ホペイロ(用具係)として選手のスパイク管理を担う男性・坂上栄作。彼は選手やスタッフたちの容赦ない要求に苦労しながらも日夜努力を続けている。そんな中、スポンサーの援助金が減らされるという話が持ち上がったり、街で貼らせてもらった広報用のポスターが盗まれたりと、次々と問題が持ち上がる。仕事に奮闘する一方で、問題解決にも奔走する坂上だが…。

井上尚登の同名小説を原作とした実写化映画。リーグ昇格を目指すプロサッカーチームの奮闘を、裏方であるホペイロの青年の視点から描く。コメディーやミステリーの要素を取り入れ見応えのある作風に仕上げている一方で、テーマとして前述の『U-31』同様に「競技のプロ化」というテーマに深いメスを入れた印象もある。視点を選手ではなくチームを支えるスタッフとしたことで、また一つ新たな課題を提起しているようでもある。

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