裸足のギボン|スポーツは映画とともに

2006年製作/99分/PG12/韓国
原題:Barefoot Gibong
走ることを通し信念を貫く姿を描いた「ランニング」映画

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走るというシンプルな競技だけに「なぜ走るのか」というスポーツの核心に迫るようなテーマから、人々の信念を浮き彫りにした作品も多い。一方でシンプルな競技だけに、いかに競技シーンの見せ場を作るかという課題に様々なアイデアやテクニックを注がれるジャンルでもある。

幼少期に発症した病気のため、発達障害児として韓国のとある村で40年間、母親と二人で暮らしてきたギボン。村の人々からは馬鹿にされる一方は、ある日村のマラソン大会に偶然飛び込んでしまい、優勝をさらってしまう。このことから村人は彼の才能を見直し、村おこしの材料とすべく彼にさらに大きな大会に出場するよう勧める。ギボンは大好きなお母さんに入れ歯を贈るために、大会に出場すべく練習を開始するが…。

韓国の実在の人物オム・ギボンのエピソードをもとに、発達障害者として母とともに暮らしてきた一人の男性と、彼を取り巻く人たちの姿を描いた群像劇。一人の男性がマラソンの大会に向き合う姿を通して、アスリートが抱くべき思いを真に考えさせられる物語となっている。主人公の演技は多少大仰に見えるところもあるが、笑顔を絶やさないピュアな心持ちの青年を好演し、物語のテーマとなる核心的な心情をしっかりと表現している。

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