教える側、教えられる側双方の成長を描いた「バスケ」映画
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母校リッチモンド高校のバスケットボール部コーチに就任したケン・カーター。連敗が続くその要因として、問題の絶えない学校に通う選手たちが抱える劣悪な家庭環境、そしてそれゆえの意識の低さにあると考えた彼は、選手たちの生活規範や学業成績の向上を合わせて指導を行う。
選手たちは当初カーターと反発しながらも、着実に実力を上げ地区大会出場を果たすまでに。しかしある日、チームに思わぬ問題が発生する。
実在の高校に存在するバスケットボール・チームでの、99年の出来事を元に描いたスポーツ物語。
コーチの揺るがない信念に従った姿勢は、一面では威圧的でもありながら「生徒をしっかりと見ている」という姿勢を示すことで徐々に選手たちの理解を築き上げていく様子が見える。
そして選手たちの理解は、逆にコーチ側の新たな発見、理解を生んでいることが感じられ、指導の現場で必要なことを改めて考えさせられる作品となっている。
「スポーツのひろば」2024年5月号より