スポーツ映画レビュー「ドラッグストア・ガール」

drug脚本:宮藤官九郎
監督:本木克英
出演:田中麗奈 柄本明 三宅裕司
2003年日本

ラクロスというと、大学でカバンと一緒に長いラケットを持った女の子達が颯爽と歩く姿を想像してしまう。スポーツというよりファッション、カルチャーの印象が強い競技だが、見た目はともかく実際にはかなりハードだ。その発祥がインディアンの民族儀式だったことからもうなずけよう。

だが、このストーリーはそんな「若々しい」「フレッシュ」とは正反対。“若い子に、女の子にモテたい”からラクロスをやるオジサマ達。一見ハチャメチャな物語だが、その気持ちの高揚を若々しさにつなげ、その象徴をラクロスに置いているところに、この物語の面白さがある。

奇想天外な内容に反し、丁寧にラクロスの説明があり、町おこし、スポーツ復興のエッセンスもさりげなく入っていたり。ある面では計算されたと思えるほど丁寧なバックボーンが見えていたりする。

ところでスポーツ映画はどうしてもシリアスで緊張感の高いドキュメンタリズムに走りがちだ。しかしこの映画はまた違った方向でラクロスにスポットを当てながらも、面白おかしいストーリーを展開してくれる。「ラクロスを始めたい」という直線的なものより、もっと広義な「アクティブになりたい」気持ちを、ラクロスに透過して奮い起こしてくれるような魅力がある。いい歳のオヤジである自分も、

「ああ、棒を振り回したい!」いう気持ちにさせられた、と言うと危ないかもしれないが……。(桂伸也)