スポーツ映画レビュー「ピナ・バウシュ 夢の教室」

pina監督アン・リンセル
出演ピナ・バウシュ
2010年 ドイツ


ピナ・バウシュといっても、特別に興味のある人以外はその名前すら聞いたことがないかもしれません。ドイツのヴッパタール舞踊団を率いていた舞踊家ピナ・バウシュ。今年2月、ヴィム・ヴェンダース監督がデジタル3Dで、ピナのダンス作品を撮ったドキュメンタリー「pinaピナ・バウシュ踊り続けるいのち」が公開されました。これを機に、今月お勧めのこの作品が緊急公開されたのです。

踊りの経験を持たず、ピナの名前も知らない40人の十代の少年少女が、ピナの名作「コンタクトホーフ」(「ふれあいの館」)上演をめざして、10か月の猛特訓を受ける姿を描くドキュメンタリーです。さまざまな家庭環境の子どもたちが、語り合いながら自分をさらけ出し、恥ずかしがったり弱音をはいたりしながら稽古を通して成長してゆく姿。

原題は「ダンス 夢」ですが、「スポーツ 夢」と言い換えたら?と思ったとき、奇妙なことですが、この十代の子どもたちの動きが「なでしこジャパン」の選手たちの走りまわる姿とオーバーラップして涙がにじんできました。指導者と子どもたちと選手たちのひたむきさが琴線に触れたのかもしれません。

ピナに興味を持たれた方は、ヴェンダース監督の作品(「踊り続けるいのち」)もぜひご覧ください。3Dメガネをはずした後も、私は体が震えて、しばし立ち上がれませんでした。おすすめですぞ。(岸 佳子)