スポーツ映画レビュー「勝利への旅立ち」

監督:デヴィッド・アンスポー
出演:ジーン・ハックマン
1986年 アメリカ


ダメダメな弱小チームを1人の人間が変える。こういう映画はたくさんある。例えば、昔の「メジャーリーグ」。今の「もしドラ(もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら)」もそうだ。奇跡を起こし、見る人に感動を与える典型的なお決まりストーリー。

舞台は1951年、米・インディアナ州の田舎町だ。その町の弱小高校バスケットボール部に主人公である新任コーチ、ノーマン・デイル(ジーン・ハックマン)がやってくる。変化を好まないこの土地で反感を買いながらも、自分のやり方を変えず、一生懸命指導に徹する。その熱心さがノーマンを敵視していた選手もファンも1つにしていく。

はっきり言って、この映画に新鮮さは感じなかった。ただ1つ良かったのは人間の弱さを描いていることだ。登場人物のシューター(デニス・ホッパー)はただのバスケ好きの酔っ払い。でも知識が豊富で、新任コーチのデイルに勝手にアドバイスをする。最初は助言を聞き入れなかったデイルも、シューターのバスケに対する熱い気持ちに心打たれる。デイルはシューターを助手にし、チームは勝ち続ける。ところが、シューターは酒の誘惑に負けてしまう。また以前の酔っ払いに戻ろうとしているシューターをデイルは励まし続ける。またシューターと息子との家族愛にも注目だ。

人間は失敗するが、どこからでもやり直せる。もしかすると、今こそ日本人が見るべきなのかも……。(一柳英男)