スポーツ映画レビュー「勝利への脱出」

監督/ジョン・ヒューストン
出演/シルベスター・スタローン マイケル・ケイン ペレ
1981年アメリカ


舞台は第二次世界大戦・ドイツ占領下のフランス。連合軍の捕虜たちが上半身裸でサッカーをする光景を見たドイツ国防軍のシュタイナー将校が、ぼそっとつぶやく。

「殺し合うのは意味がない。国家間の争いは、サッカーで解決すべきだ」

なんて積極的なスポーツの政治利用なんだろう! でも、兵器を使って争うくらいなら、ボールを使って争ったほうがマシ?(いや、そもそも争わないのが一番いいのだが…)

そんな極端な考えから、ドイツ連合軍チームvs連合軍捕虜チームというサッカー試合の開催へと発展するストーリーである。

戦時中に、敵同士が対戦するというあり得ない試合に、さまざまな思惑が重なり話は進む。スポーツで士気を上げようとする軍隊、プロパガンダとして使おうとするナチス、試合のどさくさに紛れて逃げようとする捕虜…。

圧巻は、30分間に及ぶサッカーシーン。ブラジルのペレ、アルゼンチンのオズワルドなど世界の名選手も出演していて、華麗なプレイを魅せている。試合は、ドイツ軍のラフプレイで荒れに荒れるが、連合軍もケガ人を出しながら健闘する。そして勝敗の行方は…。

いろいろ思惑があったが、最後はサッカーを純粋に楽しむ空気がスタジアムを包み込む。結局、試合が終わってみると、捕虜たちは脱出のことなんてどうでもよくなっちゃたりして…。(佐藤信樹)