今、リハビリ界で注目の「卓球療法」の魅力に迫る!〈2〉

協力=ピンポンデイハッピー渋谷日本卓球療法協会

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「この左手を動かしたい」という一心でリハビリに励む

―施設利用者の山田正明さんは、会社経営のかたわら自転車ツーリングに精を出すなどアクティブな人生を歩んできました。ところが2010年、脳梗塞のため左半身に不自由をきたしてしまいます。その山田さんが卓球療法と出会ってどう変わっていったのか、その経緯を語ってもらいました。

2017年3月、担当のケアマネジャーさんの勧めで、初めてこの施設を訪れました。そして、卓球マシンがあったことに魅力を感じ、この施設の利用を決めました。自転車が趣味だったので、「また自転車に乗れる身体に戻したい」と、この卓球療法に打ち込んできました。

その効果はかなり出てきています。卓球そのものの腕前も上がりましたし、動体視力やバランス感覚が向上した気がします。以前は介助を受けないと、自宅マンションの入口にある階段を上がれませんでした。現在では、手すりを使わずに自力で上がることができます。

リハビリに卓球を行うことには「おもしろさ」があります。やはり楽しんでやらないと効果が上がらない気がします。楽しくやると「身体が応えてくれる」という感触があるのです。卓球療法を含めてリハビリに励み、要介護レベルは3から2へ、そして今は1へと軽度化しています。この左手を動かしたいという一心で今もリハビリに励んでいるのです。

「要介護を体験したからこそ自分にふさわしい」という思いで、卓球療法士の資格を取得しました。卓球療法士インストラクター講習の講師をすでに務めました。今後は、全国での講演を目標にしていきたいと思います。

「卓球マジック」ともいわれるリハビリ効果

アルメイダ病院の脳血管障害の患者を対象に従来のリハビリに卓球を加えて平均2ヵ月間行ったところ、車椅子の人が43人から15人に減り、自立歩行できる人が41人から66人に増えるなど、歩行機能など、運動機能レベルに良好な改善効果が得られました(図参照)。

さらに「認知症」の度合いを測定したところ、重度認知症と診断された人は卓球療法前は20人、卓球後には7人とほぼ1/3まで改善されていました。正常と判断された人は34人から59人と1.7倍に増加し、明らかな改善効果が認められました。

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「スポーツのひろば」2019年4月号より