底知れぬロシア・ドーピング実態 スポーツ界で本気で取り組むとき!

2016年のスポーツ界で激震が走ったのはロシアのドーピング問題ではないでしょうか?WADA(世界反ドーピング機構)が16年7月と12月に発表した調査報告書によると、国家ぐるみの不正行為であり、30競技以上にも及び、ロンドン五輪、ソチ五輪、世界水泳、世界陸上の他、パラリンピック競技まで含まれるという。しかもその中心がロシア・スポーツ省であったという。日本でいえば15年に発足したスポーツ庁という国家機関が不正行為を行っていたことになります。

この報告書に対してプーチン大統領は「スポーツへの政治介入だ」として反発。その理由はドーピングの告発を行っているのがアメリカやカナダの反ドーピング機関だからだそうですが、国家機関が行ってきたことが「最悪の政治介入である」との反論も負け犬の遠吠えにしか聞こえません。証拠を隠蔽するために当時の検査機関の所長が、水に塩やコーヒー粉末を混ぜた液体と選手の検体の尿をすり替えるなどの行為をしていたと聞き、唖然としたのは筆者だけではないと思います。

報告書の内容が明らかになればなるほどロシアが抱えている問題の根幹は深く、競技生命を絶たれ、矢面に立たされるのは選手たちです。ドーピングが競技への信頼性を破壊するものであるという啓蒙活動や教育活動を行っていなかったことが、結果的には競技生命を断ち切ってしまうということに指導者は気づくべきだと思います。

各国でドーピングの報告書が次々と発表されていますが、例えば米大リーグ、イギリス陸上界、その数も予想より多いという。いかに現在のスポーツ界がドーピングの危険にさらされているか、今本気で取り組む時期に来ていると感じます。
(ひろばライター・園川峰紀)

「スポーツのひろば」2017年3月号より