スポーツの社会科学的見方・考え方|スポーツ本Review

森川貞夫(著) 市民スポーツ&文化研究所 2026年 2,400円(+税)

 

 

 

 

 

 

 

 

新スポ連運動に理論的根拠を与えてくれるバイブル!

本書は「スポーツを学びたい人・教えたい人」への「資料集」として編纂されています。各トピックのボリュームも1回あたり1800字程度でコンパクトにまとまっており、西洋現代スポーツが日本に紹介された明治黎明期から筆を起こすことで興味深く読み取れる旨の記載に惹かれて一気に読み通すことができました。

「本気でスポーツを学びたい人・教えたい人を念頭に最も大事だと思うものを順に益から難へ、日本から世界へ、そして逆に世界から日本へ、さらに近代から現在へと「縦糸と横糸」を折り込みながら「日本と世界のスポーツ」という「織物」を「スポーツと社会」の関係で揺れ動く時代の変化、現実の社会の中で編み出すという意欲にあふれたもの」との本書の推薦メッセージもあながち大げさとも思えません。

本書は5部構成となっており、第1部は体育教師を目指す学生に対して「体育・スポーツをなぜ、どのように学ぶか?」、第2部はスポーツの日本的図式を説明するために戦前から戦後にかけての歩みを説明する「基礎から学ぶ日本スポーツの現代史」、第3部は学校現場からスポーツの在り方を考える「生涯スポーツ時代の学校体育・部活動の在り方」、第4部は今日的課題としての地域スポーツを考える「地域に根差すスポーツ」、第5部はスポーツ立国論を謡う国の政策をオリンピック運動と絡めた「日本と世界のスポーツのあり方を考える」と縦横にスポーツ論が展開されています。

特に、第5部の「スポーツと平和」‐「オリンピック理想」との乖離の項目では、新スポ連のスローガン「スポーツは平和とともに」との理念の根本が謡われていることには感銘を受けました。

「スポーツのひろば」2026年7・8月号より

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