スポーツ映画レビュー「がんばっていきまっしょい」

監督:磯村一路
主演:田中麗奈
1988年日本
制作:フジテレビジョン/ポニーキャニオン
   アルタミラピクチャーズ


『がんばっていきまっしょい』。この映画のタイトルを見て、スポコン映画だとわかる人はまずいないだろう。舞台は愛媛県松山。女子ボート部のない高校に入学した主人公・悦ネエ(田中麗奈)はどうしてもボートをやりたかった。

なんとか部員5人を集め、やっと練習できるようになったものの、全員が運動部経験なし。やる気も悦ネエ以外、あまりない。そんな目立たない5人の女子高生が、ボートによって輝き始める物語だ。

私はボートについて、何も知らなかった。今まで興味もなければ、見たいとも思わなかった。この映画を見るまでは……。今でも詳しいルールはわからない。しかし、素人同然の悦ネエたちがぎこちなくボートに乗るのを見ていると、「なるほど、こういう漕ぎ方なんだ」とか「コックスって舵を取る人のことか」と、なんとなく頭に入ってくる。

メイキングでも(映画公開より)8年ぶりに集まったメンバー3人がボートに乗る。久しぶりに、水と触れ合う3人は本当に楽しそうで、ボートの魅力が伝わってくる。

映画の中で、たびたび耳に入ってくる「がんばって~いきま~しょい」「しょい」と、気合を入れる声はストーリーの節目節目で使われている。大切な場面で使われているからこそ、この声を聞くと、気持ちが引き締まる。

愛媛県立松山東高校をモデルとして作られたこの映画。実際、この高校で1960年代に使われている掛け声だったそうだ。歴史のある掛け声はパワーを持っていて、この言葉を聞くとなぜか、誰かを応援したくなる。(一柳英男)