スポーツ漫画道場「グラゼニ」

原作・森高夕次 画・アダチケイジ
掲載『週刊モーニング』講談社


今までの野球漫画といえば、『ドカベン』や『巨人の星』などスポ根ものがほとんどだった。主人公は努力を重ね、後にスターになる。そこに皆あこがれる。だが、この【グラゼニ】はまったく異なるコンセプトを持っていた。

主人公は黒ぶち眼鏡をかけたサイドスローの冴えない中継ぎ投手。高卒でプロ入りしたが、8年目で年俸は1800万円。微妙な金額(実力)だ。150km/hの豪速球を投げられるわけもなければ、すごい変化球も持っていない。

ただ彼には特技があった。全球団の1軍選手の年俸がすべて頭に入っていることだ。打者と対戦すると、彼の脳は敵の年俸をはじきだす。自分より年俸が低い選手は「たいしたことない」と見下し、高確率で打ち取れる。また、年俸が高い選手は「自分より年俸(実力)が上だ」とびびってしまう。

プルペンで80球近く投げても、登板のない日も多い中継ぎ投手。その日常から試合の中の心理状態、老後の心配など。年俸の話も入れ、うまくまとめている。さて主人公の26歳、凡田夏之助は先発投手になれるのか。(一柳英男)

関連記事

    スポーツ漫画道場「鉄拳チンミ」 スポーツ漫画道場「鉄拳チンミ」

    作・前川たけし 『月刊少年マガジン』 (講談社) 1983~1997年 この『鉄拳チンミ』は拳法漫画だ。主人公の少年・チンミは相方の猿と野山を駆け回っ…



    スポーツ漫画道場「SEKIDO」 スポーツ漫画道場「SEKIDO」

    作・山本 康人 『週刊ビッグコミックスピリッツ』 (小学館) 2005〜2006年 「地球暴泳軍」というTシャツを着て、水泳にすべてを賭ける高校生の青…



    スポーツ漫画道場「リアル」 スポーツ漫画道場「リアル」

    作・井上雄彦 『週刊ヤングジャンプ』 (集英社) 1999年~ マンガを見るだけで目の痛みを訴えていた私が、はじめて手にした『リアル』。この『リアル』…



    スポーツ漫画道場「オギちゃん」 スポーツ漫画道場「オギちゃん」

    作・村松孝一 掲載『スポーツのひろば』(新日本スポーツ連盟) 1997〜2006年 1997年から101回にわたり本誌(「スポーツのひろば」に連載され…



    スポーツ漫画道場「あさひなぐ」 スポーツ漫画道場「あさひなぐ」

    作・こざき亜衣 『ビッグコミックスピリッツ』 (小学館) スポ根。古くからあるマンガのジャンルに新しいスポーツが登場した。それはなんと薙刀。武術・武道…



Posted in スポーツ漫画道場