スポーツ中に倒れる人が増えている!? 運動中の突然死を防ぐには〈6〉

こんな人は気をつけよう ~突然死を防ぐには?

スポーツ中に限らず突然死を防ぐには、まず潜在的な心疾患を抱えているかどうかを把握する必要があります。しかし、最大の要因である動脈硬化は、あまり自覚症状がなく、血管内腔の50%が詰まっても、自分ではなかなか気がつきません。3分の2が塞がった状態で、運動時の拍動が急増したり、不整脈の症状が出てくる程度です。しかし、動脈硬化がもっと軽い段階でも、心筋梗塞になる可能性はあります。そこが、この病気の恐ろしいところです。

自覚症状が少ないと言っても、生活習慣や血液・血管などの状態から、ある程度は動脈硬化の進み具合が推測できます。まずは、上のセルフチェックシートを見てください。これは、日本陸上競技連盟医事委員会による「市民マラソン・ロードレース申し込み時健康チェックリスト」と欧米で実施されている「PAR−Q」という問診票(運動をする人を対象)を元に作成したものです。

このセルフチェックシートで、あてはまる項目がいくつかある人は、健康診断や心臓検診を受けたほうがいいでしょう。まずは「問診、血圧測定、血液検査、安静時心電図、胸部X線」、そして必要があれば「運動負荷心電図」「24時間携帯心電図」「心臓超音波検査」を行うようにしてください。安静時心電図は、心臓肥大、心筋虚血、不整脈などの心疾患発見に重要な検査なので、20代の頃から定期的に受けたほうがよいでしょう。

スポーツは、健康の維持や増進に有効なものですが、自らの体力を過信して限度を超えた運動を行えば、逆に健康を害してしまうことにもなりかねません。特に中高年の方は、動脈硬化が進みやすいだけでなく、自分では気づかなくても体にさまざまなトラブルが起こってきます。運動をはじめる前に、自分の体の状態がその運動に耐えられるのかどうかを調べておくのが大切です。自分の健康状態や体力水準を理解したうえで、スポーツを無理なく安全に楽しみましょう。

参考文献
「スポーツでなぜ死ぬの― 運動中の突然死を防ぐには」坂本静男 (メトロポリタン出版)1995
「突然死の話」 沖重 薫 (中公新書)2010
「健康とスポーツ 突然死を防ぐために」順天堂大学医学部編集(學生社)2005
「体内時計の謎に迫る」大塚 邦明 (技術評論社) 2012
「突然死タイプ 」山澤 いく宏(洋泉社)2004
「臨床スポーツ医学」Vol.29 No2 2012
「臨床スポーツ医学」Vol.26 No11 2009
「臨床スポーツ医学」Vol.26 No3 2009
「不整脈が気になるときに読む本」加藤 貴雄(小学館)2009

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「スポーツのひろば」2012年12月号より